2014年

4月

15日

特集:地政学リスクと資源争奪 モロッコのリン鉱石 2014年4月15日特大号

 ◇占領地西サハラに偏在 武力衝突あれば世界食料危機に

 

茅野信行

(コンチネンタルライス代表、国学院大学教授)

 

 窒素、リン、カリウムは肥料の3大要素といわれる。穀物はじめ農作物の栽培に不可欠な3大要素は土中に少ない一方で、農作物の生産に必要な量は多い。そこで、肥料として補充しなければならない。

 ここでは、特定の国・地域への偏在度が高いリン鉱石の地政学リスクを検証しよう。

 

 ◇米中の規制で市場は一変

 

 リン鉱石は鉱山から岩を切り出し、それを工場で粉砕して作られる。原油と同じように枯渇性の資源である。天然資源としては、世界の特定地域に極端に偏って存在する。リン鉱石の経済埋蔵量(現在のコスト水準、技術水準で採掘が可能な量)の8割は、米国(フロリダ)、中国(四川省)、モロッコ・西サハラ、ロシアの4カ国・地域に集中しているのだ。………