2014年

4月

15日

社会保障:経済のグローバル化と引き換え 2014年4月15日特大号

 ◇EPA外国人介護福祉士の浸透

 

塚田典子

(日本大学大学院教授)

 

 第26回介護福祉士国家試験の合格発表が3月27日あった。EPA(経済連携協定)で日本に入国した外国人介護福祉士候補者たちにも春が訪れた。日本人でも50%前後の合格率という難関。外国人の受験者の合格率は、昨年39・8%、一昨年でも37・9%と一大快挙を成し遂げ、今年は36・6%と少し落ち込んだ。3年間、就労研修をしながら受験勉強を重ねてきた候補者や受け入れ施設のこれまでの努力が実ったことを心から祝いたい。

 EPAとは、物品の関税や貿易の障壁を削減・撤廃することを目的とするFTA(自由貿易協定)よりももっと広い分野において、「もの・金・人」の移動を自由化・円滑化することで、連携協定締結国相互の経済関係の強化を図ろうとするものである。日本は2008年に初めて、EPAの締結によってインドネシアからの第1陣介護福祉士候補者104人を、09年に、フィリピンからの第1陣介護福祉士候補者190人を受け入れた。以来、13年度でインドネシアからは第6陣が、フィリピンからは第5陣の候補者が入国し、総合計で1091人の介護福祉士候補者たちを受け入れたことになる。しかし、わが国の介護人材不足を補うための措置とは言えない。厚生労働省はむしろ消極的で、日本の有望な輸出先である相手国からの強い要望によってやむなく受け入れを決定したのが実情だ。………