2014年

4月

29日

特集:中国危機の正体を見た! 政府もおびえるITマネー 2014年4月29日号

 ◇アリババがせかす金融改革 銀行保護で潰せば技術革新は後退

 

神宮健

(野村総合研究所〈北京〉金融システム研究部部長)

 

 インターネット企業の急成長が中国の金融改革を加速させている。特に、ネット通販最大手アリババの提供するネット金融商品「余額宝」は、昨年6月の登場以来、中国金融界をにぎわし続けている。

 余額宝は、アリババのネット決済サービス「支付宝(アリペイ)」にひもづいている。利用者はその口座にある遊休資金を余額宝に預け、投信運用会社(天弘基金)がMMF(マネー・マーケット・ファンド)で運用する。人気の理由は、スマートフォンなどを通じて1元(約16・3円)から購入可能で、定期預金より高い金利が付く上にいつでも換金可能という便利さにある。また、収益を毎日確認できる面白さも受けている。

 2013年6月の導入以降急増し、同ファンドは約半年で中国最大規模となった。その規模は、約5000億元(約8・2兆円、今年2月末時点)に上るという報道もある。………