2014年

4月

29日

特集:中国危機の正体を見た! 歴史に学ぶ 2014年4月29日号

 ◇権力崩壊の前兆は知識人の絶望 「機会の格差」が現在の火種

 

川中敬一

(日本大学総合科学研究所教授、元防衛大学校准教授)

 

 昨年から今年にかけて、中国各地で凶悪な暴力事案が頻発している。昨年1年間、日本でも新疆(しんきょう)ウイグル独立派によると見られるテロ事案が何回も報じられた。漢族による地方の党委員会施設を対象とした爆弾テロも認められる。

 無辜(むこ)の市民を巻き込む凶悪暴力事件は、いったい何が原因なのか。報道されている暴力事件の多くが新疆ウイグル独立と関連している。が、全てを漢族に抑圧されたウイグル族の悲痛な独立行動と断ずることに筆者は躊躇(ちゅうちょ)を覚える。こうした暴力事件の頻発は、もっと深刻な社会的要因によると思われる。

 過去、中国の王朝ないし政権は頻繁に興亡した。きっかけは分裂や異民族の支配とそれぞれ異なるが、一つの王朝が滅亡する以前には、ある兆候の出現が認められる。知識人の絶望と農民の困窮である。………