2014年

5月

13日

特集:歴史に学ぶマネーと経済 江戸・幕末維新の通貨史 2014年5月6・13日合併号

 ◇見直される元禄の貨幣改鋳 デフレ脱却図った荻原重秀 大江戸版アベノミクス

 

村井淳志

(金沢大学学校教育学類教授)

 

 荻原重秀(1658~1713年)は、江戸幕府五代将軍・徳川綱吉の治世下、勘定吟味役として、日本幣制史上初の本格的な貨幣改鋳を指揮した人物である。

 当時、日本は金の生産量が激減し、貨幣が不足する深刻なデフレに陥っていた。そこで幕府は元禄8(1695)年、純金含有率84%の慶長小判を回収して、同57%の元禄小判を新規発行したのだ。純金の含有量は3分の2、その分は銀を増量して、小判の発行枚数を1・5倍に増やした。増量分は幕府の臨時収入となる。いわゆるシニョレッジ(通貨発行益)で、当時は「出目(でめ)」と呼んだ。この改鋳で幕府は500万両の出目を得たとも言われている。………