2014年

5月

20日

特集:税務調査がやって来る! Part2 法人税・所得税編 「国外財産調書制度」スタート 2014年5月20日号

 ◇税務署が海外資産の把握強化 提出回避には厳しい調査も

 

田邊政行

(田邊国際税務事務所、税理士)

 

 海外に5000万円超の資産を持つ人を対象とした「国外財産調書制度」が今年から始まった。最初の調書の提出期限は今年3月までだったが、過去の所得や相続・贈与の無申告の発覚を恐れ、調書の提出を見送った人もいた可能性がある。この調書制度については、現在もさまざまな誤解をしている人が少なくないが、国税当局の海外財産に対する調査は今後、一層厳しくなると予想される。安易に課税を逃れようとするのではなく、制度の趣旨をしっかりと理解したい。

 国外財産調書制度は、年末時点において海外に5000万円(時価ベース)を超える財産を有している日本の居住者に対して義務付けられ、翌年3月の確定申告期限までに財産の内訳や金額などを記載して税務署長に提出しなければならない。

 海外の財産にかかる所得税や相続税・贈与税の申告漏れを防ぐ狙いだが、適用初年度は経過措置により、不提出や記載漏れ、虚偽記載などによる罰則(1年以下の懲役または50万円以下の罰金)は適用がないため、調書の提出に躊躇(ちゅうちょ)する人もいたようだ。………