2014年

5月

20日

FRB:発言がブレるイエレン議長 金融政策の方向性を明確に示せず 2014年5月20日号

福田圭亮

(三菱UFJモルガン・スタンレー証券景気循環研究所シニアエコノミスト)

 

 FRB(米連邦準備制度理事会)は4月30日、FOMC(米連邦公開市場委員会)後の声明で、債券購入額を月額で100億ドル減らし、計450億ドルとすることを決めた。昨年12月に量的緩和の縮小(テーパリング)の開始を決定し、今回のFOMCで4回連続の緩和規模縮小となった。FRBは、バーナンキ前FRB議長の示した緩和縮小の指針にそって、順調に債券購入を縮小しているようにみえる。しかし、今年2月からスタートしたイエレンFRB議長体制は、順風満帆の船出となったとは言いがたい。

 新議長は、就任間もないということもあり、不安定な発言が目立つ。2月11日の半期定例議会証言の質疑応答では、QE3(量的緩和第3弾)は「今秋」に終了する可能性が高いと述べた。バーナンキ前議長は、FOMCごとに債券購入を100億ドルずつ減額することが妥当との指針を示し、イエレン議長もこの方針を尊重していると考えられる。単純に、FOMCごとに100億ドルずつ減額していくと、債券購入が完全に終了するのは、12月FOMCとなる。

「今秋」に終了するとの発言は、10月のFOMCで減額幅を150億ドルに増やし、前倒しでQE3を終了するということだろうか。あるいは、12月も「今秋」に含まれるのだろうか。QE3の終了を示唆するのであれば、「年内のいずれかの時点で終了」としておけば、混乱も小さかったと思われるが、新議長として市場に、より具体的な指針を示したいとの思いが、先走ったのかもしれない。QE3の終了のタイミングが、10月となるか、12月となるかでは、同議長のゼロ金利解除についての発言とからみ、大きな違いになってくる。………