2014年

5月

27日

エコノミストリポート:デフレは資本主義の限界点 2014年5月27日特大号

 ◇過剰マネーが社会を不安定に

 

水野和夫

(日本大学教授)

 

 リーマン・ショックを経た今の米国は、積極財政と超低金利政策で成長を取り戻そうとした1990年代のバブル崩壊後の日本と同じ経済の構造問題に直面している。

 リーマン・ショック直後の08年10月、米政府は金融安定化法を成立させ、公的資金による「不良資産救済プログラム(TARP)」を創設した。これは、経営危機に陥った金融機関や事業会社を救済するための機関で、7000億ドル(約70兆円)という巨額の公的資金枠が設けられた。これによって保険大手のAIGやゼネラル・モーターズ(GM)などの大手企業が救済された。

 さらに08年12月には米連邦準備制度理事会(FRB)は事実上のゼロ金利政策に踏み切り、その後3度にわたる長期国債などの買い入れによる量的緩和(QE)が実施された。この間に長期金利(10年債利回り)は急低下して、11年9月には2%を割り込み、13年5月中旬までその状態が続いた。足元では2・7%前後にあるものの、低金利であることには違いない。………