2014年

5月

27日

特集:武器輸出の経済学 産業の実像 国内市場に守られてきた日本企業 2014年5月27日特大号

 ◇「防衛のTPP」で国際競争へ

西山淳一
(未来工学研究所研究参与)

 日本の防衛関連メーカーは、欧米に比べ規模が小さい。日本企業の売上高に占める防衛事業の比率は、三菱重工業、川崎重工業、IHIという重工業メーカーで7~10%、電機メーカーでは全体の2~3%に過ぎない。いわゆる大企業の中の、ごく一部の人たちだけが防衛関連事業に携わっているのだ。

 一方、米国のロッキード・マーティン社、ノースロップ・グラマン社、レイセオン社、英国のBAEシステムズ社などは、売上高の80~90%が防衛関係だ。米国のボーイング社はボーイング787など、欧州のEADS社はエアバスA380などの民間旅客機を開発・製造している。民間航空機部門が大きいため、全体の売上高に占める防衛関連事業の比率は半分以下だが、規模自体は他の防衛メーカーと同程度だ。このように欧米には、防衛への依存度が高い大規模な防衛関連専門メーカーがある。
 日本の防衛産業は欧米と比べ規模が小さく、企業での防衛事業の比率も小さいので、メーカーとしては「とにかく問題を起こさないように、そっとしていてほしい」という向きがあったことは否めない。欧米の企業は、国防に対する責任を担っていることを堂々と宣伝しているが、日本の企業は、ホームページでも一部を除き、目立たないように防衛事業を載せている。………