2014年

6月

03日

経営者:編集長インタビュー 石坂茂 IBJ社長 2014年6月3日特大号

 ◇カウンセリングで成婚率高める

 

 婚活サイトの運営や結婚相談所など総合婚活サービスを提供しているIBJ。婚活パーティーやマッチングサイトで出会いを提供するだけでなく、紹介後のカウンセリングとサポートに力を入れた結婚相談事業で成婚率を高めている。全国の結婚相談所とネットワークを構築した会員数の多さと、カウンセラーの育成などこれまで培ったノウハウが強みだ。

 

── 創業の経緯は。

石坂 IBJの前身であるインターネット専用の結婚情報サービス「ブライダルネット」を創業したのが2000年で、その頃の日本はIT企業の成長がめざましい時代でした。私は日本興業銀行に勤めていましたが、起業するのであれば、小さく生んで大きく育てられるような、情報に課金するビジネスがよいと思っていました。それから大きな市場よりも、ニッチな市場で1位を狙う方が自分には向いていると。あとは自分も楽しみを感じて続けられそうな点からこの事業を思いつきました。

 出会い系サイトと一線を画した、ネットを介した結婚情報サービスとしては、日本初だったと思います。本人確認を徹底し、メールや電話でもきめ細やかに対応し、お客様の安心感を高めることを徹底しました。

── 12年には株式上場しました。

石坂 婚活分野のサービスは許認可制度もなく消費者問題になりがちなため、不安から入会を躊躇(ちゅうちょ)する人がいるのも事実です。そこで、当社だけでなく婚活業界全体の信用レベルの向上と、お客様がもっと安心して利用できる婚活サービスを作るため上場しました。婚活会員は現在25万人を超え、確実に成長しています。

 

 ◇つなぐのはアナログ

 

── 成婚率を高めるために工夫している点は。

石坂 創業後、会員数は順調に増えたのですが、成婚者はなかなか出ませんでした。その理由を探っていくと、地域密着型の昔ながらの仲人業は、お見合いを主体にしていて、成婚率7~8割のところもあることがわかりました。そこで、ネットはあくまでもツールとして活用し、ネットとリアルのサービスを組み合わせた結婚情報サービスを作ろうと思い、06年にIBJを設立しました。

 IBJの主な事業は、婚活パーティーの開催や婚活サイト、直営の結婚相談所、全国の相談所のネットワーク展開です。婚活パーティーでは、男女が相手のプロフィールを見ながら会話をし、気に入った相手同士でカップリングします。婚活サイトは月額3000円で利用でき、登録されたプロフィールなどから異性を条件検索し、自分が気に入った相手にアプローチをし、相手の了解を得たら連絡先を交換して会うという仕組みです。

 婚活パーティーなどでは、出会うところまでしかサポートできないため、自然消滅してしまい、交際、結婚に至らない人もいます。そこで、お客様のサポートとカウンセリングまでする結婚相談所がそれらの弱点を補う役割を果たしています。当社の結婚相談所は入会金が16万5000円、月会費は1万5000円です。

 希望者にはカウンセラーもつきます。最初のお見合いの後、専任カウンセラーが男女それぞれに意思を確認し、会う意思があれば交際が成立します。第三者の勧めや信頼できる人からの「2人は合っていると思う」というアドバイスが説得力を持って成婚に導く。ITと旧来型の仲人を組み合わせた婚活サービスが当社の強みであり、特徴でもあります。

 ITはツールとして活用するものの、人と人の思いをつなぐ局面ではアナログを徹底する。直営の結婚相談所は成婚率が50・2%と高い実績を誇っています。ただ、いきなり結婚相談所に入会するには抵抗感がある人もいますよね。そこで、婚活パーティーや婚活サイトなどの比較的カジュアルなサービスを利用してもらい、より真剣でニーズがある人を結婚相談所に誘導するという複合的なビジネスモデルが特徴です。

── 全国の結婚相談所とネットワークを結んでいるそうですね。

石坂 「日本結婚相談所連盟」に、我が社の直営店と全国の相談所が計1000店舗ほど加盟していて、別々の相談所の会員同士でもお見合いを組めるシステムを作っています。現在、会員数は5万人を超えています。相談所それぞれの流儀や方針を尊重しながら、お見合いの翌日までに次に会うかどうかの意向を双方に伝える、3カ月をめどに結婚に向けてステップアップするかどうかの意思を確認するなど、一定のルールを設けて運用しています。また、入会時に必要な証明書の確認なども徹底しています。

 加盟店向けの研修会も開いています。当社の強みである結婚相談所の運営やカウンセラー育成のノウハウを提供することで成婚者を増やしています。現在、ネットワークを利用して月間1万5000件を超えるお見合いが組まれ、年間3000組近いカップルが成立しています。

── 今後、力を入れたい事業は。

石坂 25万人の婚活会員基盤を生かして、結婚式場や結婚指輪など、周辺分野の事業者さんとの連携の強化に注力しています。また、結婚後の引っ越しや、保険の加入または見直しなどを想定して、不動産や保険の分野にも取り組んでいく予定です。(Interviewer=横田恵美・本誌編集長、構成=小林多美子・編集部)

 

 ◇横顔

 

Q 30代の頃はどんなビジネスマンでしたか

A よく仕事をして、よく遊んでました。終電の時間が過ぎるまで仕事をして、朝6時に起きて会社に行っていました。あまり睡眠をとらない生活でしたね。会社の行事などのイベントが得意でした。

Q 最近買ったもの

A 小学2年生の息子が「パパと一緒にゴルフをやりたい」と言うので、子供用のゴルフクラブを買いました。

Q 休日の過ごし方

A 子供と遊ぶことが多いですね。

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 ■人物略歴

 ◇いしざか・しげる

 東京大学経済学部卒業。1995年日本興業銀行(現みずほコーポレート銀行)入行。2000年に独立し、ブライダルネット代表に就任。03年Yahoo! JAPANの要請でグループ企業になるも、06年再度独立しIBJ社長就任。42歳。