2014年

6月

03日

FLASH!:大飯原発運転差し止め 2014年6月3日特大号

 ◇「地震対策の不備」を指摘 福井地裁判決が上げたハードル

 

本橋恵一

(ジャーナリスト)

 

 福井地裁は5月21日、福井県の住民らが関西電力大飯原発3、4号機(同県おおい町)の運転差し止めを求めた訴訟で、原発の地震対策の不備を認め、運転差し止めを命じる判決を出した。判決は、改めて地震大国で原発を稼働させることの不合理性を明らかにするもので、原発再稼働を巡る今後の原子力規制委員会の審査や電力会社の経営などにも影響を与えそうだ。

 判決のポイントはいくつかある。まず、大飯原発で想定する地震動の大きさについて、関電側は700ガル(ガルは揺れの勢いを示す加速度の単位)が適切とし、1260ガルを超えなければメルトダウンは起きないと主張したが、判決ではそれを超える地震動の可能性が否定できないとした。実際に2005年以降、東京電力福島第1原発事故のきっかけとなった東日本大震災だけでなく、2007年の新潟県中越沖地震における東電柏崎刈羽原発など、想定を超える地震動は4カ所の原発で計5回観測されていることを重視した結果だ。

 また、原子炉だけでなく、使用済み核燃料プールにも原子炉同様の堅固な施設とする必要性を求めたほか、緊急時に冷却機能を維持するための送電設備や発電機にも同等の耐震性などを求めた。さらに、福島第1原発事故で避難勧告が検討された経緯を踏まえ、大飯原発から半径250キロ圏内に住む原告住民の請求を認めた。大飯原発から250キロ圏内には岡山県や和歌山県なども入り、他の原発の訴訟にも適用されれば日本のほとんどの地域が原告の対象に含まれることになる。………