2014年

6月

10日

特集:スマホ大全 Part1 業界大混戦 2014年6月10日号

 ◇日本では2台に1台がスマホ 世界市場はすでに10億台

 ◇激変した世界と日本のスマホ市場

 

谷口健

(編集部)

 

 スマートフォン(スマホ=多機能携帯電話)が携帯電話市場を席巻している。日本では2014年3月末時点で、全携帯電話契約数に占めるスマホの割合は47%に達し、2台に1台はスマホという時代となった。19年3月末には70%に達する見通しだ(MM総研調べ)。

 世界的には、スマホ市場は、13年に出荷台数10億台を突破。09年の1・7億台から約6倍に増えた。17年には16億台を超えるという予測だ。その急成長を牽引(けんいん)するのはアジアで、13年は地域別シェア52%で5・2億台を占めた。17年にはシェア58%の9・8億台市場となり、グローバル市場を引っ張っていく見込みだ(米IDC調べ)。

 

 ◇中国が成長牽引

 

 特に、中国市場の成長は著しい。13年にはスマホ出荷台数は3・4億台に達し、従来型携帯電話を差し置いてスマホが9割を占めた(中国・易観国際調べ)。この中国市場でトップを走るサムスン電子は、グローバルでもメーカー別シェア1位を獲得。中国で4位のファーウェイは世界3位、中国で2位のレノボは世界5位と、中国市場で伸びるメーカーが世界大手になっている。

 世界2位の米アップルの勢いも止まっていない。新型iPhoneを出す度に自社の販売記録を更新し続け、13年に出したiPhone5cやiPhone5sは、1四半期で5000万台以上を売った。今年も秋に最新のiPhone6を出す見込みで、部品メーカーやキャリア、EMS(電子機器の受託製造サービス)企業の動きもあわただしくなっている。

 スマホ利用者が増える余地はまだ残っている。中国を含む新興国市場では、日本ですでに当たり前になった3G(第3世代携帯回線)やLTE(次世代高速通信)回線などの高速通信網が未整備。ただ、通信事業者(キャリア)の契約数は、日米のキャリアをはるかに超える規模を持っている。中国キャリア最大手の中国移動(チャイナ・モバイル)は7・8億件、英国やアフリカ諸国、インドなどで展開する英ボーダフォンは4・1億件の契約件数を誇っている。

 スマホ市場の規模が大きくなれば、1台当たりの製造コストを安く抑えられ、コモディティー(日用品)化が始まり、価格競争が激化することも心配されている。13年の1台当たりの平均価格は337ドル(約3万4000円)だったが、17年は13年比21%減の265ドルになる予想だ(ICD調べ)。

 

 ◇長期成長期に入った

 

 実際に世界の人は、スマホをどれほど使っているのか。グーグルは、サムスンやソニーなどスマホメーカーに基本ソフト(OS)の「アンドロイド」を実質無料で提供しているが、現在使われているアンドロイド端末は13年9月に10億台を超えたという。

 これまでパソコン向けにサービスを展開していたSNS(交流サイト)やネット通販、検索サイトなどのIT(情報技術)企業も、スマホへの対応を迫られている。月に12億人が使う世界最大のSNS・フェイスブックは14年1~3月期、ユーザー全体の79%に当たる10億人がスマホからも利用していた。パソコンを使わずにスマホだけから利用した人も27%に当たる3・4億人いた。こうしたスマホ利用の浸透率は、短文投稿サイトのツイッターが78%、動画サイト最大手のユーチューブが40%と、各社でスマホ市場の成長をどれだけ取り込めるかが課題になっている。

 グーグルのシュミット会長は、25年には80億人がスマホを中心とした端末経由でインターネットにつながると予言している。スマホ市場の“ビッグバン”はまだ始まったばかりなのである。

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 スマホ市場は、国内も海外も変化が非常に速い。特集ではキャリア、メーカー、ゲームなどコンテンツ業界で起きている激しい競争の最前線に迫る。