2014年

6月

10日

FLASH!:ウクライナ 2014年6月10日号

 ◇ロシア“一時撤退”で沈静化へ 長期的には領土拡大に執着

 

名越健郎

(拓殖大学海外事情研究所教授)

 

 5月25日に投票が行われたウクライナ大統領選で親欧米派のポロシェンコ元外相が勝利した。選挙後もウクライナ東部では親ロシア派武装集団とウクライナ政府軍の衝突が続いているが、事態は意外に早く沈静化に向かうだろう。安定の鍵を握るロシアが一時退却の姿勢を見せているためだ。だが、ロシアは時機を見て再びウクライナ南東部での勢力拡大に乗りだす可能性が高い。

 大統領選に反発する親露派武装集団はウクライナ東部のドネツクの空港を占拠し、一段と過激化しているが、ロシアは支持せず、一般市民も反発している。孤立化する親露派の活動は先細りになりそうだ。

 プーチン大統領は大統領選について、「方向性は正しい」「ウクライナ国民の選択を尊重する」と評価し、新大統領との対話の用意を示唆した。一方で、先に東部で実施した自治権拡大の住民投票に対しては「尊重する」としながら、承認を避けた。親露派にすれば、はしごを外された思いだろう。………