2014年

6月

17日

特集:とことん学ぶ通貨と為替 Part1 ここがポイント! いま知りたい10 ビットコインの人気継続はなぜ? 2014年6月17日号

 ◇国家通貨の危機への対抗手段になるから

 

西部忠

(北海道大学教授)

 

 2013年、ネット上のデジタル暗号通貨「ビットコイン」が注目を浴びた。キプロスで金融危機が起こると、同国を租税回避地にしていたロシア人が資産をビットコインに換え始めた。それまで1BTC(BTCはビットコインの単位)=10ドル以下で推移していたビットコインの市場価格は急騰。その後、中国人富裕層の投機マネーも流入し、年末には1100ドルに達した。

 14年2月、東京のビットコイン取引所「マウントゴックス」が債務超過に陥り破綻した。しかし、原因はビットコインの欠陥ではなく取引所のサーバーへの不正侵入にあったため、現在もビットコインは600ドルを超える水準を維持。取引件数も安定的に伸びている。ビットコインは、クレジットカードよりも安い手数料で銀行を通さず匿名で海外へ送金できるなど、国の法定通貨より便利な点もある。

 

 ◇信任を生む巧みなシステム

 

 通貨の重要な要件は「信任」にある。国家通貨の場合、政府への信任が価値の裏付けとなる。また、インターネット上で流通する電子マネーの場合、発行元企業や、電子署名を発行する第三者機関への信任が問題だ。一方、中央発行機関を持たず、第三者機関による認証もないビットコインは、発行と取引を行う独特の仕組みが信頼され、広く普及した。………