2014年

6月

17日

特集:とことん学ぶ通貨と為替 Part1 ここがポイント! いま知りたい2 外国人投資家の次の一手は? 2014年6月17日号

 ◇日銀追加緩和待ちで円売り維持

佐々木融
(JPモルガン・チェース銀行 債券為替調査部長)

 5月半ば、筆者は欧州大陸と英ロンドンに出張し、多くの年金基金やヘッジファンドといった海外投資家を訪問した。
 興味深かったのは、少額ながら依然として円売りポジションを保有しているとする投資家が意外に多かったことだ。昨年ほどの規模ではないにせよ、他の通貨もさほど大きな動きを示さない中で、日銀の追加緩和実施や年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産配分見直しなどに期待して、念のため円売りポジションを維持しているとする先が目立った。

 日銀が追加緩和に踏み切れば、米国が金融緩和策を縮小している中では円安要因となる。一方、GPIFは運用資産129兆円と世界最大の年金基金で、国内債券が過半を占める運用資産の見直しを現在議論している。外貨建て資産の運用比率が増えるなら円安要因になり得るので、為替市場も注目している。
 円売りポジションを維持している海外投資家は、昨年と同じような急激な円安進行がまたあるのではないかと期待し、それが実際に起きた時には乗り遅れたくないと考えているようだ。また、ドル・円相場は過去4カ月間、101~104円の狭い範囲で推移しているのだから、特にポジションを手じまう必要性も感じず、維持しているのであろう。ある投資家の「円売りポジションは我々のデフォルト(標準的な)ポジションだ」という言葉が印象に残った。………