2014年

7月

01日

エコノミストリポート:公的年金財政検証 2014年7月1日号

 ◇厚労省検証で着目すべきは「現役収入の50%割れ」試算

鈴木準
(大和総研調査提言室長)

 厚生労働省が6月3日、年金の財政検証結果を発表した。同検証は、年金の財政状況を見通して、健全性を確認する作業だ。
 年金財政の見通しは、将来の前提をどう設定するかで結果が大幅に異なる。特にアベノミクスによって日本経済の長期的な姿が変わるのか、変わるならどのような姿になるのかが論点であろう。

 表が今回の検証で厚労省から示された経済前提となる。実質経済成長率が高まるケースからマイナス成長のケースまで8通り設定された(前回2009年検証は3通り)。
 年金の長期計算においては、物価上昇率、賃金上昇率、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が行っている積立金の運用利回りの三つの仮定が重要だが、今回の検証では、よりベースとなる経済状況について、特に女性や高年齢者の労働力率が高まるケースと現状が続くケースが設定された。労働力率とは15歳以上人口に占める労働力人口(就業者+完全失業者)の割合である。………