2014年

7月

01日

欧州:右傾化が進む欧州議会 2014年7月1日号

 ◇EU統合に影響を及ぼすか

渡邊啓貴
(東京外国語大学国際関係研究所所長)

 欧州の「右傾化」が進んでいる。5月22~25日に行われた欧州議会選挙(定数751)では、事前の予想通り、極右政党や欧州統合に懐疑的な勢力の議席は、前回2009年の2倍以上の140議席台へと拡大した。

 欧州議会は、一般的意味での立法府ではない。元々は諮問機関にすぎなかったが、1979年に初めて比例代表制による直接投票制を導入(人口比による加盟各国への配分議席を国別に投票)。その後次第に権限を拡大し、予算決定や欧州委員会委員長の選出にまで関与するようになっている。フランスでは、ヨーロッパ最大の極右勢力・国民戦線(FN)が第1党となり、マスメディアは「激震」と政界の動揺を表現した。この選挙結果が加盟各国と欧州統合にどれほどの影響をもたらすのだろうか。

 ◇仏の国民戦線が躍進

 今回の欧州議会選挙で特徴的だったのはフランスだ。極右勢力の中でEU最大の影響力を持つFNは約25%の支持率を得た。保守派国民運動連合UMPは21%、オランド大統領率いる与党社会党は14%で第3党に転落した。………