2014年

7月

01日

特集:官製相場の賞味期限 Part2 アベノミクスの課題 やがて災いもたらす日銀 2014年7月1日号

 ◇日銀の「出口議論」封印が国債急落リスクを増大させる

菅野雅明
(JPモルガン証券チーフエコノミスト)

 日銀の黒田東彦総裁が、量的質的金融緩和を打ち出して1年余りが過ぎた。この間、円安をきっかけに株高となり、消費者、企業のマインドが明るくなったことは特筆すべきことだ。この結果、国民が多少痛みを伴う改革を受け入れるようになるとしたら、さらに素晴らしいことである。

 ◇2%を超えるインフレに

 日銀は、4月の経済・物価情勢の展望(展望リポート)で、「コアCPI(消費者物価指数、生鮮食品を除く)前年比は、見通し期間(2016年度まで)の中盤ごろに物価安定目標(消費税率引き上げの影響を除く)である2%程度に達する可能性が高い」としている。日銀のインフレ予測が実現するなら、市場では1年後には2%インフレが視野に入り、量的緩和縮小が話題になっていることだろう。
 しかし、黒田総裁は日銀の出口戦略(量的緩和の縮小)に関しては「時期尚早」を繰り返すのみだ。衆議院財務金融委員会(6月3日)で、総裁は「早い段階での出口議論はかえって混乱を招く可能性がある」と発言しているが、筆者は市場の混乱を招かないためには、むしろ早い段階から出口戦略に関するさまざまな見方を市場で議論させることが重要だと考えている。………