2014年

7月

08日

特集:とことん分かる2014年下期マーケット Part2 グローバルマネー編 超高速取引は市場の悪者か? 2014年7月8日特大号

 ◇強者による“後出しじゃんけん”

 

平塚崇

(りそな銀行アセットマネジメント部)

 

 1730年に開設された世界最古の先物市場である大阪堂島米会所の米相場は、旗振りによるリレーで全国に情報が伝達されて、米価の基準とされた。これは電話で代替される大正時代まで続けられ、旗振りを盗み見てカネもうけを画策する者が続出した。数百年を経て高度に電子化された今日の株式市場でも、“盗み見”が横行しているとして非難が噴出している。

 この盗み見の首謀者は、HFT(High Frequency Trading)と呼ばれる超高速取引を行う投資家である。その手口はスピード。じゃんけんで、相手が何を出すかを見極めた後に、相手よりも速いスピードで自分の手を出し、後出しにならずに常勝する、いわば“合法的な後出しじゃんけん”である。

 HFTの優越性は、スピードを実現する「コロケーション」の使用にある。コロケーションとは、投資家が売買サーバーを取引所に隣接して設置し、売買スピードを高める有償のサービスである。東京証券取引所(東証)の場合、コロケーションを使用しない投資家の注文送信や相場情報取得が1ミリ秒(1000分の1秒)であるのに対し、コロケーションを使用すると60倍以上速い15.7マイクロ秒となる。………