2014年

7月

15日

中国:養子縁組持ちかける高級官僚 2014年7月15日号

 ◇中国脱出がいよいよ始まった

五百騎駿
(在上海ジャーナリスト)

 上海に住む私は今春、親しくしていた中国人に「300万円渡すから友人の息子を養子にしてほしい」と頼まれた。依頼してきた人物は地方政府のれっきとした高級官僚だ。
 なぜ、日本人の養子になりたいのだろうか。それは、いざという時に海外へ逃亡できるよう資産を移しておきたいからだ。

 中国人は官僚であれ、民間人であれ、カネをもうけたら派手に使うが、安心感は得られない。官僚は利権を駆使して蓄財に励み、民間人は権力に近づくことで金をもうけようとする。だが、心の中ではそんな人生は長く続かないと思っている。政府の方針一つで、あっという間に塀の内側に落ちることも珍しくない。だから、チャンスがあれば安全な海外に移ることを考えている人が本当に多いのだ。
 実は、養子の受け入れを依頼されたのは今回が初めてではない。これまでに2度ある。初めは今年2月、官僚を通して息子を養子にしてほしいという富裕層の依頼だった。300万円でどうか、という申し出に、「日本ではホームレスとの偽装結婚でも最低200万円必要だ」と返答したら、その場でいきなり50万元(約850万円)、60万元(約1000万円)と値をつり上げ、私をビックリさせた。………