2014年

7月

15日

特集:親と子で考えるおひとりさま Part3 結婚しない娘&息子 男性は所得減、女性は経済力重視 2014年7月15日号

 ◇拡大する婚姻市場のミスマッチ

山口範大
(明治安田生命エコノミスト)

 未婚率は1980年代以降、著しく上昇している。内閣府によると、2030年には生涯未婚率(50歳時の未婚率)が男性で3割、女性で2割と、50歳人口の4人に1人が未婚者となる見込みである。

 厚生労働省の「出生動向基本調査」で未婚理由の推移を見ると、35歳未満の未婚男性のうち「結婚するにはまだ若過ぎる」「結婚する必要性をまだ感じない」といった自発的な理由で未婚を選択する割合は、92年調査と比較して19%ポイント減少している。一方で、「一生結婚するつもりはない」としている未婚者や、経済的理由などから結婚ができないとしている未婚者の割合は大きく上昇している。とりわけ後者は92年の73%から、10年には85%まで上昇した。

 ◇8割が恋人おらず

 

 結婚する意思のない婚姻市場からの退出者や、意思はあるが結婚できない非自発的な未婚者の増加は、いずれも若年層男性を取り巻く雇用環境の変化の影響を受けている可能性が高い。同調査の雇用形態別回答を見ると、35歳未満未婚男性のうち、パート・アルバイトの8割以上が恋人や婚約者がおらず、「一生結婚するつもりはない」との回答は15%を超えている(正規職員では6%)。

 バブル崩壊後、企業が新卒正規職員の採用数を絞り、若年層で非正規雇用者が増加したことが、未婚男性を増加させた一因であると考えられる。パート・アルバイト男性の約8割が年間所得が200万に届かない(総務省「2012年度就業構造基本調査」)。年収300万円未満の30代男性の既婚率は9・3%、300万円以上400万円未満では26・5%、400万円以上500万円未満では29・4%と、年収に比例して既婚率が上昇している(内閣府「結婚・家族形成に関する調査報告書」)。年収300万円未満では他の所得ゾーンと比較して既婚率が大きく落ち込んでおり、男性の収入が婚姻市場における一つのファクターであることが読み取れる。結婚をする余裕などないというのが彼らの本音だろう。

 

 ◇両立に悩む女性

 

 女性の未婚率上昇は少し事情が異なる。………

この記事の掲載号

親と子で考えるおひとりさま 週刊エコノミスト

2014年7月15日号

 

【特集】親と子で考えるおひとりさま

 Part1 自分もいつかは

 Part2 独居の親

 Part3 結婚しない娘&息子


発売日:2014年7月7日 定価:620円

 

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