2014年

7月

22日

特集:地図で学ぶ世界経済 第2部 輸送編 パナマ運河 2014年7月22日特大号

 ◇拡張で大型船の航行が可能に

日下部佳子
(日刊「海事プレス」記者)

 熱帯のジャングルを切り開き、大西洋と太平洋を結んだパナマ運河の開通から今年で100年。運河の拡張工事が2015年末の完工に向けて進行中だ。

 1914年、中米パナマ地峡に建設されたパナマ運河は、船が山を越えて二つの太洋を往来することを可能にした。海面と運河中央部にあるガツン湖水面には約26メートルの高低差があるため、閘門(こうもん)で水をせき止めて水位を調整しながら船は進む。大西洋側から入ると、まず通るのがガツン閘門。水位を3段階で上昇させ、ガツン湖へと進み出たのち、今度は1段式のペドロ・ミゲル閘門、2段式のミラフローレス閘門で水位を下げ、太平洋へと至る。全長約80キロの運河の通航に要する時間は8~10時間。待ち時間を含めると平均で24時間かかる。
 パナマ運河は世界的な海上交通の要衝。南米の南端を迂回(うかい)することなく、米州東岸や欧州と、アジア、米州西岸などを直接結ぶ。米国が開発した運河は99年、パナマ共和国に完全返還された。運河を通航する船は年間約1万4000隻に上る。コンテナ貨物、穀物・石炭・鉄鉱石を中心とするばら積み貨物、石油や石油製品、自動車など、約2億トンの貨物が通過する。貨物の発着地として日本は、米国、中国、チリに次ぐ第4位で、運河の主要利用者だ。………