2014年

7月

29日

中米危機:財政不安に揺れるプエルトリコ なし崩しのデフォルト懸念浮上 2014年7月29日号

江夏あかね

(野村資本市場研究所主任研究員)

 

 カリブ海北東に位置するプエルトリコは、米国領土の中で合衆国を構成する州ではない自治地域である。約367万人の人口を抱えるこの島の財政悪化が大きく注目されている。プエルトリコが発行している債券の残高規模が、1年前に財政破綻したデトロイト市(ミシガン州)の約16倍と大きいうえ、米国の投資信託などに運用対象として組み込まれているからだ。

 アレハンドロ・ガルシア・パディラ知事の提案による「プエルトリコ公社債務執行・回復法」が6月25日、プエルトリコ議会で可決し、同28日に成立した。プエルトリコでは、公社の一部が政府の一般基金(日本の一般会計の概念に該当)の大きな負担となっていた。一方、米国連邦破産法には公社の再生や清算に関する条文がない。

 そこでプエルトリコ政府は、公社が住民に必要な行政サービスや社会インフラの更新等を継続しつつ、公平・公正に債務問題に対応していくことを目的として、公社に対する再生型手続きとなる同法を制定した。今後、この新法に基づき、債権者との間で債務削減などが協議されると想定される。………