2014年

9月

30日

イスラム国を知っておく:スンニ派不満分子を取り込み 石油と恐怖で支配地域拡大 2014年9月30日特大号

池田明史
(東洋英和女学院大学学長)

 オバマ米大統領は9月10日、国民向けのテレビ演説を行い、イラク・シリア北部国境地帯に勢力を拡大する「イスラム国」に対して、本格的な軍事圧力の強化に踏み切る決意を表明した。実際に15日からはこれまでの北部に加えて首都バグダッド南西に展開するイスラム国勢力にも空爆を拡大した。これに呼応する形で、欧米・中東を中心とした約30カ国・機関の外相らが15日パリに参集し、脅威を国際社会全体で共有しつつ、その撃滅に向けて連携することを申し合わせている。

 国際社会の憤激は、8月末以降ほぼ隔週で米英の人質が次々に斬首される様子を、ネット上でイスラム国が「実況」公開するに及んで頂点に達し、ナチス以上の脅威とする見方さえある。
 そもそもイスラム国とは、アルカイダの唱えるカリフ(スンニ派イスラム最高指導者)復興の主張に共鳴し、2003年のイラク戦争によってサダム・フセイン体制打倒後のイラクに進駐したアメリカ軍に対する攘夷(じょうい)主義的な武装抵抗運動から出発している。………