2014年

9月

30日

エコノミストリポート:雇用 問われる企業の人材育成力 2014年9月30日特大号

 ◇人手不足時代こそ取り組める 雇用の質の改善と若年雇用問題

太田聰一
(慶応義塾大学教授)

 日本経済は緩やかな回復基調が続いており、ようやく長いトンネルを抜け出した感がある。それを反映して、最近では「人手不足」が話題になることが多くなってきた。長らくの間、「人員の余剰」が言われ続けてきたことを考えると、働く人々にとっての状況は明らかに改善してきている。


 ◇今は「パート不足」

 実際、それを裏付ける統計は多い。
 例えば、完全失業率の統計を見ると、7月は3・8%(季節調整値)と、このところ4%を割り込んでいる。同月の有効求人倍率も1・10倍(同)と有効求人数が有効求職者数を上回っている。低い失業率と高い求人倍率の組み合わせは、労働市場で需給バランスが逼迫(ひっぱく)している証左と言える。企業に対する調査である6月の「日銀短観」でも、人員が「不足」した企業は「過剰」とした企業を10%上回っており、それは中小企業や非製造業で著しい。………