2014年

9月

30日

特集:ランキングで見える世界経済 Part1 通貨・市場・産業 18世紀以降の1人当たりGDP 2014年9月30日特大号

 ◇経済の「興」と「亡」は交互にやってくる

攝津斉彦
(武蔵大学准教授)

 人口1人当たりGDP(国内総生産)は、経済成長を測る指標として、さまざまな国の長期系列が整理されている。1700年から現在までの人口1人当たり実質GDPの変化を見ながら、世界経済の「興」と「亡」を振り返ってみることにしよう。

 英国の経済学者アンガス・マディソン氏による人口1人当たり実質GDPの推計値。マディソン氏の仕事は、1990年の購買力平価(非貿易財も考慮に入れた通貨の交換レート)を使い、各国の長期GDP系列をドルベースで国際比較可能な形にまとめ上げた画期的なものだ。
 まずは、経済の「興」の部分を見てみよう。日本の古い時代から話をはじめると、江戸時代の人口1人当たり実質GDPは、元禄文化華やかなりし1700年から明治維新の1868年までの168年間に、年率で0.2%程度(以下、成長率はすべて年率)の成長があった。これといった技術革新がないなかで、市場の拡大と農村工業の発達など分業の深化によるゆっくりとした経済成長が生じていたと考えられている。………