2014年

9月

30日

特集:ランキングで見える世界経済 Part1 通貨・市場・産業 2014年9月30日特大号

 ◇世界のGDP 低成長が際立つ日本

 

谷口健/花谷美枝

(編集部)

 

 日本は世界の中でどの位置にいるのか、世界の中で存在感を増しているのはどの国や企業か。さまざまなランキングを見ていくと世界経済の実像が浮かび上がる。

 日本はGDP(国内総生産)でアメリカに次ぐ世界第2位の経済大国──。長い間、日本はそう呼ばれ、日本人もそう自負してきた。しかし、2010年に中国に抜かれて3位に転落。低成長に苦しむ日本は、中国に差を一層広げられている。

 GDPの規模は拡大を続けてきたが、伸び率は1990年代半ば以降、10年を除き、3%未満である。これをもとに、日本経済の位置を見てみよう。

 日本が高度成長を遂げた60年代ごろまでは、日本は戦後復興から急速に工業化を遂げる“新興国”として、欧米諸国を追い上げる位置にいた。60年のGDPでは日本は世界5位に付けていたが、そこからイギリス、フランスを追い抜き、68年には2位に浮上。以後、1位米国、2位日本、3位ドイツのトップ3が定位置となった。

 73年のオイル・ショックを経て以降は次第に成長率は鈍化。80年代から90年代にかけては1位米国、2位日本という順位こそ変わらなかったものの、95年には急速な円高もあり、ドルベースのGDPでは米国に迫る勢いも見せた。

 だが、90年代後半以降は日本の成長率の低下が明白になり、マイナス成長の年も出てくる。そして「失われた20年」と呼ばれる低成長とデフレに日本は悩まされることになる。

 

 ◇人口減の影響は大きい

 

 高度経済成長から安定成長期を経てやがて低成長へと至る流れは、国家の成長の一般的な道筋といわれる。

 ただ、日本の場合は、バブル崩壊以降の低成長が他の先進国に比べて長期化し、かつ成長率のレベルもかなり低いことに問題がある。低成長の要因については、「人口減が大きく響いている」(第一生命経済研究所の永濱利廣主席エコノミスト)とする見方は多い。先進国の中でも突出したスピードで進む少子高齢化が、日本の成長率を押し下げる大きな要因になっている。

 世界のGDPランキングに目を転じてみると、90年代以降は中国やブラジルなど新興国の躍進ぶりが目立つ。中国は低成長に突入した日本を横目に高成長を続け、10年には日本を抜いて世界2位に躍り出た。13年になると、日本と中国のGDPは2倍近くの開きが出てきている。ただ、中国も2ケタ成長の時代は終焉(しゅうえん)を迎えたといわれており、これからは、より緩やかな成長になると予想されている。

 また今後は、生産年齢人口の増加が著しいインドが順位を上げてくることが予想される。インドがGDPの規模で日本を抜くのはまだ先といわれているが、日本が生産性を上げる努力を怠れば、日本が順位を下げる日も早まるだろう。

 日本は今、世界のどの位置にいるのか。さまざまな分野のランキングは、世界と日本の新たな側面を知る機会になるはずだ。