2014年

10月

07日

エコノミストリポート:農業 虚構の農業改革 2014年10月7日号

 ◇農協はいまや非農家の集まり 特別扱いの農協法は不必要

 

神門善久

(明治学院大学教授)

 

 農協(農業協同組合)というと、一般には零細農家の組織というイメージがある。長らく、貿易自由化に反対する団体として取り上げられ、特に近年は、農業の大規模化や企業の農業参入などに対する抵抗勢力として取り上げられる傾向がある。

 ところが、その構成員を調べると、驚くべき事実に直面する。大規模農家が少数派という理解は正しい。しかし、零細農家が多数派というのは誤解だ。実は、非農家でありながら農家と同様の資格が与えられている構成員が最大勢力になりつつある。

 この事実は、昨今の農協改革論議でも見落とされがちだ。その理由は農協の構成員の制度が複雑で、外部からはわかりにくいためと思われる。しかし、農協が非農家のものになりつつあるという現実を無視しているかぎり、いかなる改革論をしても虚構に陥る。

「農協が日本の農業をダメにしている」というバッシングが盛んな傍ら、農業において本来目を向けるべき問題、すなわち農地管理のずさんさや、農産物の輸出振興、大規模化促進、新規就農の支援、震災復興など、新たな名目を掲げては農業補助金がムダ遣いされていることに目が向かわない。いわば農協が目くらましに使われているのである。………