2014年

11月

04日

特集:中国大減速 アリババ上場 外資を引き込む中国の魔法「VIE」 2014年11月4日号

 ◇株主権を弱める複雑怪奇な仕組み

(編集部)

 9月19日に米ニューヨーク証券取引所に上場を果たした中国の電子商取引大手、アリババ・グループ・ホールディング(HD)。資金調達額は約250億ドル(約2兆7000億円)と、2010年の中国農業銀行の221億ドルを超えて史上最高を記録。公開価格(1株=68ドル)に基づく時価総額は米アマゾン・コムを超え、まさに「世紀のIPO」(中国メディア)となった。

 アリババは、傘下に個人向け通販サイト「淘宝(タオバオ)」「天猫(Tモール)」、金融決済システム「支付宝(アリペイ)」などを擁する。中国のネット通販市場では約8割のシェアを握り、近年ではアリペイを足がかりに金融業にも進出している。13年の売上高493・9億元(約8583億円)、最終利益211・1億元(3667億円)を誇る優良企業だ。
 アリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)会長は、中国で立志伝中の人物だ。マー会長率いるアリババの発展は、改革開放による輸出拡大、経済発展による内需拡大、そして金融業の発展と、中国経済の発展と重なる。マー会長は大学入試に2度失敗した後、杭州師範学院(現・杭州師範大学)に入学。卒業後、英語教師をしていたが、当時、海外との貿易が本格化し始め貿易業者に英文翻訳を頼まれたのをきっかけに、翻訳会社を設立した。………