2014年

11月

18日

特集:人工知能が拓く未来 米欧プロジェクト相次ぎ始動 2014年11月18日特大号

 ◇日本には「汎用AI」の芽も

大堀達也
(編集部)

 人間の頭脳と同じように周囲の環境を認識し、情報を処理するコンピューター「人工知能(AI)」が、ロボットやスマートフォンなどハイテク機器に急速に導入され始めている。米欧ではすでに、覇権をかけたAIの開発競争が始まっている。

 ◇世界で始まった開発競争

 オバマ米大統領は2013年4月、人間の脳の解明を目指す「ブレーン・イニシアチブ」計画を立ち上げた。脳神経回路の全細胞の全活動を記録・解析し、脳の情報処理や記憶などのメカニズムを探る計画だ。その第一の目的は、アルツハイマー病のような脳の難病の克服にあるが、その先には、「強いAIを作る」という遠大な構想がある。
 脳研究がAIにつながる理由は、今のAIが人間の脳神経回路を模倣したソフトウエアだからだ。米政府は脳の解析を進めることで、AIを人間の脳に近づけようとしている。ブレーン・イニシアチブには、10年間で約30億ドル(約3000億円)以上の予算が投じられる見込み。研究成果をAIに生かすことができれば、大きな経済効果が得られるだろう。というのも、「AIは人間の知的労働の多くを代替する可能性があり、製造、流通、金融、医療、教育など、ほぼすべての業界に影響を及ぼす」(井上智洋・早稲田大学助教)と考えられるからだ。………