2014年

12月

02日

学者に聞け!視点争点:200年前の英国に学ぶTPP交渉 2014年12月2日特大号

 ◇貿易重視か内需重視かで政策は変わる


山崎好裕

(福岡大学経済学部教授)


 日本の環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉が目下難航しつつも進行中である。そもそも、TPPの原協定は、2006年にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドが加盟国間の関税の90%を撤廃したものだった。現在は12カ国間で高度な自由化を目指して交渉が進められている。日本としては、工業製品分野での関税撤廃にメリットがある一方で、農業分野、医療分野などで多くの自由化をのまなくてはならないため、国内では賛否両論の議論が続いている。

 実は、同じような自由化を巡る議論は200年近く前の英国でも繰り広げられていた。そのときの議論に学ぶことで、今回のTPP交渉参加が、日本経済とその歴史においてどのような意味を持つのか考えてみよう。

 19世紀初当時の英国には、穀物法と呼ばれる保護貿易的な法律が存在していた。この法律は大陸からの輸入穀物に高関税を課し、国内の小麦生産を保護しようというものであった。………