2014年

12月

09日

特集:水素車・リニア・MRJ MRJ 2014年12月9日号

 ◇黒字化に10年以上かかる航空機だがMRJは80兆円市場の突破口になる


鈴木真二

(東京大学大学院教授)


 零戦が1万機近くも製造されたことからわかるように、戦前の日本は航空大国の一員だった。しかし敗戦後の7年、日本は航空機の製造も研究開発も教育もエアラインの就航も禁止された。ジェット機はこの時期に実用化した技術のため、日本は世界に大きく後れを取った。

 1957年には戦後初の旅客機YS−11(プロペラ機)の開発を始め、65年に運航したが、73年に生産終了となった。その後、日本の航空機産業はボーイングの機体製造への参画にとどまり、国産機開発は自衛隊機が中心となった。このため規模的に欧米に追いつくことはなかった。

 現在の日本の航空機産業は自衛隊機も含め1・5兆円。これに対し、世界の空には現在2万機の旅客機が飛び、年間40兆円近い市場がある。これを米ボーイングと欧州エアバスでほぼ二分しているのが実情だ。………