2015年

2月

03日

中国:「灰色収入」が拡大する格差 2015年2月3日特大号

 ◇中国の不公正な所得構造

柯隆
(富士通総研経済研究所主席研究員)

 日本では、サラリーマンは勤務先が源泉徴収を行うことでその所得のほぼ100%が捕捉されているといわれている。それに対して、自営業者は収入から必要経費を差し引いて確定申告するが、すべてが正しく申告されているかどうかについて疑問が残り、自営業者の収入の50%程度しか捕捉されていない。もっとも所得の捕捉率が低いのは農民であり、40%程度といわれている。

 ◇月給38万円で不動産4戸

 それに対して、中国では会社員の所得は100%捕捉されておらず、農民の所得は低すぎて捕捉しようがない状況にある。最も問題なのは、共産党幹部や国有企業経営者および民営企業経営者などの富裕層の所得が十分に捕捉されていないことである。中国では、中央政府から地方政府まで局長級の幹部の場合、正規の月給は平均2万元(約38万円)程度であるが、収賄などの罪に問われ逮捕された幹部は別として、普通は平均3~4戸の不動産を所有しているといわれている。これらの幹部が所有する不動産はどんなに低く見積もっても、1戸当たり300万元(約5700万円)以上の物件がほとんどであることから、正規の給料で購入できるものでないことが分かる。………