2015年

2月

03日

特集:とことん分かる原油安 Qサウジの力は弱まった? 2015年2月3日特大号

 ◇唯一不変の「マーケットメーカー」 膨大な余剰生産能力が源泉

小山堅
(日本エネルギー経済研究所首席研究員)

 今回の原油価格急落の基本的な背景は、原油を巡る需給の緩和である。米国で非在来型のシェールオイル開発が進んだ一方、中国をはじめとする新興国需要は伸び悩んでいる。そして、昨年11月の石油輸出国機構(OPEC)総会で、サウジアラビア主導で減産見送りを決定したことで、価格下落に拍車がかかった。これらの情勢を受け、OPECそしてサウジアラビアの石油市場における重要性が失われたかのような見方が示されることもある。しかし、筆者はそうした見方は取らない。サウジアラビアは世界で唯一、需給調整を通じて原油価格に影響を及ぼす「マーケットメーカー」なのである。

 今回の原油価格急落のポイントは、急落発生前、なぜ1バレル=100ドル超の原油価格の高値が3年半にわたって続いてきたのか、ということから見えてくる。100ドル原油が続いている間、多くの市場関係者は、仮に需給緩和して価格下落圧力が発生する場合、OPECあるいはサウジアラビアが生産調整を実施し、価格を防衛するだろう、と読んでいた。それが一転、OPEC総会で減産が見送られたため、まさに市場の「底」が抜けて急落した。………