2015年

2月

03日

特集:危ういROEブーム 2015年2月3日特大号

 ◇市場は「稼ぐ力」を見ている 必要だが十分ではない高ROE

広木隆
(マネックス証券チーフ・ストラテジスト)

 ROE(自己資本利益率)は「Return on Equity」の略である。Returnは見返り、Equityは株式のことを指し、この見返りである純利益を自己資本で割ったものだ。ざっくり言うと、企業が株主から資本として預かったお金を使ってどのくらいの利益を上げているかを測る指標だ。

 日本でROEが市場や企業の注目をより集めるようになったのは、2014年6月に閣議決定された「日本再興戦略」の改訂版が大きい。戦略には「日本の『稼ぐ力』を取り戻す」ことが真っ先に掲げられた。デフレ脱却・景気回復に向けて経営者のマインドを変革、企業の中長期的な生産性や収益性を高め、グローバル競争に勝つための仕組みづくりを進めることが強調されたのだ。
 企業の収益性を高めるためコーポレートガバナンス(企業統治)の強化を求める動きも強まり、社外取締役の選任を促す会社法改正、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用改革、「日本版スチュワードシップ」の制定、「コーポレートガバナンス・コード」の導入といった施策が続々と打ち出されている。………