2015年

2月

10日

特集:世界金融不安 FRB政策を読む 2015年2月10日号

 ◇世界が注視する利上げの時期 「市場に織り込ませる」が主流に

加藤出
(東短リサーチチーフエコノミスト)

 若い世代の金融市場参加者は驚くかもしれないが、米連邦準備制度理事会(FRB)のボルカー議長時代(1979~87年)まで、FRBは米連邦公開市場委員会(FOMC)声明文を発表していなかった。議長の記者会見や議事要旨、FRB幹部による経済予測の発表もなかった。

 それどころか、フェデラルファンド金利(FF金利=銀行間の短期金利)誘導目標すら発表されなかったことがあった。ニューヨーク連銀の公開市場操作を読み取って、「一段の金融引き締めが決まったようだ」と推測することが当時の「Fed(中銀)ウオッチャー」の重要な仕事だったのである。

 ◇マネタリー・シャーマン

 FRBに限らず、世界的に以前の中央銀行は「神秘のベール」に包まれていた(日本でも「国会の解散と公定歩合については嘘を言ってよい」と言われた)。これを変えていったのが、ボルカー氏の後任のグリーンスパン議長である。巨大化する金融市場の予想に働きかける必要性が出てきたこと、FRBが独立性を維持するには、議会への説明責任が重要になったことが、その背景にある。………