2015年

3月

03日

特集:とことん分かる低金利 ニュース編 2015年3月3日特大号

 ◇ECB 3月から量的緩和に突入 金利低下とユーロ安進む

田中理
(第一生命経済研究所主席エコノミスト)

 デフレ転落の瀬戸際にあるユーロ圏では、日本に遅れること十余年、米国や英国にも6年余り遅れて、欧州中央銀行(ECB)が3月から本格的な量的緩和(QE)を開始する。買い入れ対象の資産はユーロ圏19カ国の国債・政府機関債と欧州連合(EU)の機関債。昨年開始した資産担保証券(ABS)、カバードボンド(担保つき銀行債)の買い入れ策と合わせて月額600億ユーロ、総額1兆ユーロ超の緩和マネーを、低成長にあえぐユーロ圏経済に供給する。買い入れ期間は来年9月までとするが、中期的な物価安定の達成に必要な場合、その後も買い入れを継続する方針を示唆しており、オープンエンド型の量的緩和と考えてよい。

 ECBは既に、政策金利の一部である下限の預金ファシリティー金利(ユーロ圏の市中銀行が余剰資金をECBに預け入れる際の適用金利)をマイナス圏に引き下げており、さらなる利下げ余地がないことを示唆している。金融緩和を強化するには、量的緩和の領域に踏み入る以外になかった。昨秋以降、貸し出しを増やした銀行への長期の資金供給(TLTRO)や、小規模の資産購入に取り組んできたが、ECBのバランスシートを約1兆ユーロ拡大する方針の達成が難しくなったため、本格的な量的緩和の開始を決断した。………