2015年

3月

10日

特集:相場は歴史に学べ 中央銀行の失敗史 2015年3月10日号

 ◇通貨乱造、バブルを軽視… 政治の急接近時には要注意

倉都康行
(RPテック代表)

 世界の金融市場は今年1月、スイス中銀が対ユーロの上限を突然撤廃したことに驚き、一時的なパニックに陥った。それは、欧州中央銀行(ECB)の量的緩和導入を前に、為替介入ではスイス・フランの上昇が止められないと判断したからである。為替の無制限介入によって通貨高を食い止め、デフレを阻止しようとするスイス中銀の戦略は失敗に終わった。そして今、異次元の金融緩和でデフレ脱却に挑んでいる日銀の旗色も、徐々に色あせてきたように見える。

 中央銀行は言うまでもなく金融政策のプロ集団である。中央銀行には金融論に精通した超一流の人材がそろい、あらゆるデータに基づく経済分析をもとに、時宜にかなった適切な金融政策を打ち出すことが期待されている。それでも、中央銀行に対して「失敗するはずがない」と、全幅の信頼を寄せることも難しい。歴史をひもとけば、中央銀行も常に成功してきたわけではないことが分かる。
 そもそも中央銀行が設立されたのは、17世紀後半以降の欧州で、主に軍事費などの政府資金を捻出するためであった。………