2015年

3月

10日

米中関係:日本人が知らない米国人の中国理解の変遷 2015年3月10日号

川中敬一
(日本大学教授)

 建国以前から中国産のお茶という貿易利権に着目していた米国が、中国という存在に気づいたのは、日本人が考えている以上に早い。
 19世紀から20世紀前半にかけての米国人は、「中国は欧州的退廃にさらされていない」という前提に立ち、中国に向き合う傾向が強かった。

 その「中国教化」の先兵が米国の宣教師たちであった。彼らはキリスト教的思想、精神、威光で中国人を満たすことが、封建的社会制度の抑圧に苦しむ人民を解放し、「中国を助ける」と信じていた。
 中国に渡った宣教師の子弟たちも米国世論の中国観形成に大きな役割を演じた。その代表的人物の1人が、小説『大地』の著者パール・バック(1892~1973年)だった。………