2015年

3月

17日

エコノミストリポート:業績改善で企業が移転 2015年3月17日号

 ◇東京で大型オフィスビルが続々竣工 来年は「2012年問題」再来の可能性

竹本遼太
(三井住友トラスト基礎研究所副主任研究員)

 東京のオフィスの賃料は、2014年から上昇し始めている。企業業績の改善を背景に、需要が増えているうえ、13、14年に続き15年も供給が抑制される見込みのためだ。しかし、こうした「貸手優位」の状況は、束の間のこと。16年は一転して、新築ビルの竣工が相次ぐ。16年の新規供給は20万坪を超える見通しで、これは供給量の多さから「2012年問題」と呼ばれた12年並みの水準だ。

 東京のオフィスビルは、12年に大量供給され、当時の空室率は8%を超えた。景気低迷が長引き、不動産市況が本格的に回復していないなかで、供給が大幅に増えたため、賃料が大きく下落する事態に陥った。16年は、これと同様のことが起きる恐れもある。
 16年に竣工予定の大規模ビルは、①日本IBM旧本社ビルなどの跡地で、テレビ東京の本社や特許庁が移転する「六本木三丁目東地区プロジェクト」(地上40階建て)、②日本政策投資銀行本店ビルなどの跡地で、三菱UFJモルガン・スタンレー証券や協和発酵キリンが本社を移転する、地上31階建ての「大手町連鎖型都市再生プロジェクト第3次事業 A棟」、③旧グランドプリンスホテル赤坂の跡地で、ヤフーが本社を移転する「東京ガーデンテラス」(地上36階建て)──などがある。大企業や有力企業の本社移転が目立つ。………