2015年

3月

17日

円安:製造業「国内回帰」の動き 2015年3月17日号

 ◇過去の水準には戻らない

青木大樹
(UBS証券シニアエコノミスト)

 円安・ドル高の基調が続く中、2014年末ごろから海外から国内へ生産拠点回帰を計画する企業の報道が目立ち始めている。日産自動車やキヤノン、パナソニック、ダイキンなどは海外投資よりも国内投資を拡大させる意向であり、製造業の国内回帰の期待が高まっている。

 製造業における03年以降の海外設備投資比率(全体の設備投資に占める海外設備投資の割合)を見ると、02年の10%程度から08年には15%程度まで緩やかに上昇していた。だがリーマン・ショック以降は、円高基調を追いかけるようにその比率は急上昇した。更に、11年の東日本大震災以降は国内製造拠点を海外に移す動きが加速し、海外設備投資比率は14年1~3月期には27%まで拡大した。
 ところが14年4~6月期から一転して減少し始め、明らかにそれまでの拡大トレンドが変わっている。製造業の国内回帰の動きが明確に表れ始めたように見える。………