2015年

3月

24日

エコノミストリポート:混迷のブラジル経済 2015年3月24日特大号

 ◇汚職に揺れる国営ペトロブラス 原油安直撃で景気も下押し

西川珠子
(みずほ総合研究所上席主任エコノミスト)

 ブラジル経済が、国営石油会社ペトロブラスの経営問題に揺れている。ペトロブラスは汚職疑惑に原油安が追い打ちをかけ、まさに「パーフェクト・ストーム」(究極の嵐)に見舞われている。2015年のブラジル経済はマイナス成長が見込まれる中、ブラジル最大の企業の苦境は一段と景気を下押しする要因となる。景気後退下でインフレが進行する「スタグフレーション」が深刻化する恐れも高まっている。

 ペトロブラス混迷の発端は14年3月に表面化した汚職疑惑だ。ペトロブラス元幹部が建設会社などとの契約料金を水増しし、水増し分の一部を有力政治家に渡していたとされ、検察当局はすでに元幹部や取引先関係者ら25人以上を起訴。同社は汚職疑惑への対応で、14年7~9月期の決算発表を2度にわたり延期した。しかし、今年1月27日にようやく発表された決算でも、汚職疑惑に絡む資産の評価損を反映できず、監査法人の承認は得られなかった。贈収賄などの違法行為が確定した場合、監督当局から多額の金銭的なペナルティーを科される恐れもある。
 業績の実態を把握できない状況が長引いていることで、ペトロブラスの資本市場での資金調達環境は悪化している。………