2015年

3月

24日

ワイドインタビュー問答有用:古書ミステリーで大ヒット=三上延・作家 2015年3月24日特大号

聞き手=岡崎武志(ライター)

 累計600万部のベストセラー『ビブリア古書堂の事件手帖』。地味でカビ臭い古書のイメージを変えたユニークなミステリー小説はどうして生まれたのか。

 ◇「ネタ探しが大変。精いっぱいの力を尽くして書く」
 ◇「ビブリアはもうすぐ終わり。次は古書から離れて新しいミステリーに挑戦します」

── まずは出たばかりの『ビブリア』シリーズ第6巻ですが、前巻の刊行から1年近く間が空きました。

三上 ちょっと外国の作家みたいですね(笑)。いや、本当はもっと早く次を出したかったんですが、いろいろ手間取ってしまって。決して怠けていたわけじゃないんですよ。今回の第6巻は、4巻で江戸川乱歩を取り上げたように、太宰治で丸々一冊を書きました。取り上げた本は『走れメロス』『駈込み訴え』、そして『晩年』です。特に太宰自身の珍しい書き込みのある『晩年』が物語を引っ張ります。太宰ファンのグループの確執がそこに絡み、半世紀近く前に起きた『駈込み訴え』の盗難事件が浮かび上がります。ここは「密室」の手法を使っています。太宰ファンにもミステリーファンにも喜んでいただける内容になっているとうれしいですね。
── 毎回、古書のネタ探しと、それをミステリーに生かすための調べごとなど、苦労が多いそうですね。例えば、第1巻の第1話は夏目漱石でした。………