2015年

3月

24日

特集:日本人が知らない中東&イスラム教 「イスラム国」とは何か 2015年3月24日特大号

 ◇分かりやすい大義名分を掲げ存続に必要な「資源」を集める

高岡豊
(中東調査会上席研究員)

 2014年6月以降、世界中の関心を集めている「イスラム国」。日本においても1月の日本人2人の殺害事件を契機に、その一挙手一投足が報道機関で大きく取り上げられるようになった。

「イスラム国」が数万人の戦闘員とそれを支えるだけの経済力・支持基盤を有する現象となった以上、「イスラム国」が社会運動として一定の成功を収めたことは、今や否定しようがない。実際、「イスラム国」とは何なのか、それに少なからぬ人々が引きつけられるのは何故なのか、そして「イスラム国」がこれほどまでに大きな問題になった理由と対処の方策について、さまざまな解説がなされてきた。
 しかし、現実の問題として、政治・社会的な現象の消長の原因を一つに帰することは不可能だ。「イスラム国」についての解説も、「正解」や「決定版」は存在しない。「イスラム国」の思考や行動の様式や、同派が勢力を伸ばした原因を知るためには、より多面的・重層的な分析が必須である。
 例えば、多くの者が「イスラム国」に共鳴したり、実際に参加したりする理由として、彼らが感じる差別・格差・疎外感などが挙げられている。………