2015年

3月

24日

米国:大統領選の焦点は貧富の差 サマーズ氏“変節”が話題に 2015年3月24日特大号

中岡望
(東洋英和女学院大学副学長)

 2016年の米大統領選挙を控え、民主党の次期大統領候補の経済政策に強い影響力を持つと言われる元米財務長官、ローレンス・サマーズ・ハーバード大学教授の“変節”が話題になっている。同氏は14年夏に発表したリポートで、没落した中産階級を復活させる政策を掲げたのだ。

 米ウォール街に太いパイプを持つサマーズ氏は、決して労働者寄りの経済学者ではなかった。ところが最近のサマーズ氏は、衰退する米中産階級に関する発言を積極的に行っている。背景には米社会の貧富の差の拡大がある。米国の90%の世帯の実質収入は1970年代から横ばいが続いているが、富裕層と言われる1%では世帯収入が3倍に増加した。
 米国で深刻化する格差問題は、次期大統領選挙の最大の争点になると予想される。選挙でヒラリー・クリントン元国務長官が当選すれば、夫のビル・クリントン政権で財務長官を務め、クリントン家と関係の深いサマーズ氏が、再び新政権の経済政策の中軸を担うことになると言われる。サマーズ氏が中産階級の復活を強烈にアピールするのは、次期大統領選に向け、大票田の取り込みという狙いがある。………