2015年

4月

14日

ワイドインタビュー問答有用:シリアの伝承歌謡を紹介=飯野りさ・音文化研究者 2015年4月14日号

聞き手=中川美帆(編集部)

 音の持つ文化的な豊かさを解き明かし、音が生み出すコミュニケーションを社会や歴史の中で捉え直す「音文化(おんぶんか)」研究。飯野さんはアラビア語を駆使したシリアとその近隣諸国の音文化研究の第一人者だ。イスラム教だけでなくキリスト教の音楽の研究も深めている。

 ◇「異教徒の融和に、音楽が貢献できると信じています」
 ◇「イスラム教とキリスト教。子供の頃から互いの音楽に親しめば、相互理解が深まる」

── 中東の中でも、シリアとその近隣諸国の伝統音楽を中心に研究しているのは、なぜですか。
飯野 大学でアラビア語を学んだ後、中東の音楽の研究を始めました。偉そうな言い方をすると、日本の人が知らない中東の文化はまだまだ多い。埋もれていてあまり表に出ていないものに引かれたのが、中東の音楽を研究するようになったきっかけです。
 アラブの音楽というとエジプトの音楽が主流で、特に20世紀に活躍したウンム・クルスームという女性歌手が有名です。彼女の歌はアラブ音楽の基本を忠実に踏まえていたので、アラブの人たちに親しまれました。加えて、近代西洋的な要素も少し取り入れ、テレビにも出演したので、有名になりました。………