2015年

5月

26日

老化する精子と卵子 : 増える遺伝子突然変異 2015年5月26日特大号

 ◇子の精神疾患リスクが上昇

 

天野馨南子

(ニッセイ基礎研究所生活研究部研究員)

 

 最先端の医療研究において、受精時の父親の年齢が生まれくる子どもの健康に影響をもたらすという研究結果が近年相次いで発表されている。

 世界で注目を集めた研究成果の一つが米国の科学雑誌『ネイチャー』に2012年に掲載されたカリ・ステファンソン博士をはじめとしたアイスランドの研究チームによる「新規突然変異率と父親の年齢の疾病リスクへの重要性」である。もう一つは14年春に米精神医学会誌『JAMAサイキアトリー』に掲載された米インディアナ大学のブライアン・ディオノフリオ准教授らがスウェーデンのカロリンスカ研究所と共同研究をした「精神疾患児童と父親の出産時年齢」である。どちらも「妊産適齢期」を女性だけでなく男性の問題としても考えなければならないことを明示した研究成果として注目されている。

 

 ◇父親の年齢が影響

 

 遺伝子の情報は父親と母親から半分ずつ子どもに受け継がれる。しかし、父親と母親から遺伝情報の一部が正常に受け継がれず、子どもの遺伝子に「突然変異」が生じる場合がある。………