2015年

6月

02日

日銀:日銀のETF購入がはらむリスク 2015年6月2日号

 ◇出口戦略を困難にさせかねない


大塚理恵子

(みずほ総合研究所市場調査部エコノミスト)


 日銀は2014年10月末に決定した追加緩和で国債、指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J─REIT)の保有額の増加ペースを拡大した。ETF購入は市場規模から購入余力は相応にあると見られるが、国債の買い入れについては中長期的な持続可能性に対する懸念が浮上している。

 仮に日銀が現状のペース(年間80兆円純増)で長期国債の買い入れを進めると想定すると、国債発行残高に占める日銀の保有割合は20 年に70%台に達するとの試算もある。金融機関に担保需要などで一定額の国債保有ニーズがあることを勘案すると、20年より前にも国債買い入れが困難となる可能性も指摘されている。日銀内でも、こうした国債の買い入れ持続性の問題が、議論されているようだ。

 こうした中、市場規模から見て購入余力のあるETFの買い入れ強化がさらなる追加緩和策として有力視されつつある。

 日銀がETFの買い入れを開始したのは、ETFの他、国債やコマーシャルペーパー(CP)、J─REITなどの資産買い入れの基金を創設した10年10月の金融緩和以降である。


 ◇株価が下がると購入


 ETFの当初の買い入れ対象は日経平均株価とTOPIXに連動したもので、限度額は4500億円であった。その後、東日本大震災や景気後退、デフレへの対応として金融緩和策は強化された。ETF買い入れ残高の上限も徐々に引き上げられ、13年4月の「量的・質的金融緩和」導入の直前には2・1兆円まで拡大された(12年末の日銀のETF保有残高は1・5兆円)「量的・質的金融緩和」では、12年末の保有残高を基準に年間1兆円のペースで購入を進めることになった。さらに14年10月の追加緩和により、買い入れ対象にJPX日経インデックス400に連動したものが追加され、購入ペースは年間3兆円に拡大された。………