2015年

6月

23日

商社の下克上:トップの激白 岡藤正広 伊藤忠商事社長 2015年6月23日号

 ◇CITICと組み財閥系2社に挑む


 非資源分野の連結純利益は2015年3月期に3172億円となり、三菱商事をほんの鼻の差で抜いて1位になった。社長就任1年目の11年3月期の752億円から4倍超に増えた。やってきたことは正しかったと思う。

 この間、資源が高騰して、当社も全く手を出さないわけにはいかず、体力の範囲内で投資した。もちろん他社と同じく痛手を負ったが軽微だった。15年3月期の資源の減損は約950億円。このうちシェール開発関連の減損対象は、米石油開発会社サムソンの事業。同社にはシェールブームの11年に約780億円を投じ、減損兆候を認識するたびに損失を計上してゼロになった。

 長期的に見れば、シェール価格は、また上がると思う。でも会社の経営は、細かいことで判断していかないといけない。長期的に見て良くても、少しでもダメになったら、すぐ撤退するといったように、正しい戦術の積み重ねが大事だ。

 資源事業は商社の仕事の一つなので、継続する必要はある。だが、リスクの大きな開発案件が増えている。ますます高度なマネジメントが要求されるようになっているから、三菱商事や三井物産のように経験を積んだ商社でないと難しいのではないか。当社のような3位以下の商社、非財閥系の商社ではリスクが大きい。違うやり方をしないといけない。


 ◇中国はリスクより成長性


 資源ブームの時は、弱い商社が強い商社に勝つチャンスがあると思いがちだが、それは逆。だから当社はこの5年間、非資源分野に着実に投資した。それが実ってきている。特に機械カンパニーの純利益は、11年3月期の103億円が、15年同期は546億円に伸びた。以前の伊藤忠の機械というと、5大商社の中で周回遅れのビリだったが、今や業界3位。住生活・情報カンパニーの純利益も拡大した。

 資産の入れ替えは続ける。クギ・ネジで米国最大のプライムソース社を5月11日に売却した。数十億円で買って、1000億円で売れた。この間の利益貢献は非常に大きく、米国の当社の利益の半分ほどを稼いでいた。このような会社でも、そろそろピークアウトするという時には思い切って売ることが大切だ。………