2015年

6月

23日

週刊エコノミスト 2015年6月23日号

定価:620円(税込み)

発売日:2015年6月15日

 ◇特集:商社の下克上

 ◇「稼ぐ力」で劣る伊藤忠の乾坤一擲


中川 美帆

(編集部)


「久々に、胃が痛とうなったわ」──。

 豪放磊落な性格で知られる伊藤忠商事の岡藤正広社長が、苦笑いしながらこう漏らす。伊藤忠とタイ最大財閥チャロン・ポカパン(CP)グループによる、中国最大の国有複合企業CITIC(中国中信集団)の中核子会社への1兆2040億円に上る巨額投資を決断した時のことだ。

 伊藤忠の出資額は、連結自己資本の25%に相当する約6000億円。1月下旬の発表直後、財務体質の悪化を懸念する指摘が格付けアナリストをはじめ、市場関係者から続出した。だが、この決断は伊藤忠にとって、18年3月期に純利益4000億円を達成し、三菱商事、三井物産の「財閥系2強」を凌駕するために不可欠な「起爆剤」だ。伊藤忠の乾坤一擲である。


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ピックアップ

経営者:編集長インタビュー

 ◇高橋広行 JTB社長

 ◇積極的なM&Aでアジアナンバーワンを目指す


 ジェイティービー(JTB)の2014年度の業績は売上高1兆3239億円、営業利益111億円、純利益は前期比94・3%増の147億円で増収増益となった。創立1912年、国内旅行会社最大手のJTBは積極なM&A(合併・買収)で世界展開を加速している。

── 足元の業績が好調です。

高橋 最も大きなけん引力となっているのは法人需要です。営業目標を達成した社員や販売店を招いての報奨旅行・招待旅行など企業のインセンティブ旅行といわれる分野が2014年度は活況でした。インセンティブ旅行は企業業績が良い時でなければ需要が生まれません。経済が回復トレンドにあると実感しています。


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ワシントンDC

 ◇上院でTPA法案可決 共和・民主が妥協と歩み寄り


堂ノ脇伸

(米州住友商事会社ワシントン事務所長)


 2016年11月の米大統領選挙に向けて、共和・民主両党が自らの政策主張を強めつつあり、今後、対立の構図がより深まると予想される。こうした中、現連邦議会で、つかの間ながらも超党派による協調と歩み寄りの動きが見られる。

 上院で大詰めを迎える環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の推進に向け不可欠とされる貿易促進権限法案、いわゆるTPA法案が5月22日、多くの共和党議員と一部の民主党議員の賛成により、紆余曲折を経ながらも、かろうじて可決されたことは、その好例と言えよう。


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